1. はじめに

この文章の目的は,「国立大学の教員がどのような仕事をしているか」という情報を共有することです.なお,本文章の構成は名大の Huang 先生による助教振り返り記事に大いにインスパイアされています.

https://medium.com/@unilight/助教0年目の振り返り-a6bc23dd6253

1.1. 本記事の著者について

とある国立大学で講師1年目を終えたところです.これまでのキャリアパスは以下のとおりです.

具体的な研究室名は伏せますが,教授との小講座制で,2024年度は助教(特任含む)2名,協力研究者数名程度に対し,学生が合計で30名程度という構成で,それなりに規模は大きいラボなのではないかと思います.そのうち,私がメインで指導に関わっていた学生さんは12名です.

1.2. 本記事の3行まとめ

2. 講師の仕事

講師の仕事内容は主に,(1) 自分の研究,(2) 研究費獲得,(3) 研究指導と研究室運営,(4) 講義,(5) 大学運営業務,(6) 種々のボランティアワークの6つです.各項目について,(特任)助教時代との比較をしながら説明していきます.

2.1. 自分の研究

大学教員は研究者でもあるので,当然ながら自分の研究を進める必要があります.2024年度の業績(主著)は論文誌(解説記事)x1,国際会議論文x1,国際会議チュートリアルx1,国内学会発表x1,受賞x1でした.個人的にはもう少し頑張れた気がしますが,後述するように2024年度は足を大怪我して2か月くらい戦線離脱したので,まぁ仕方ないかなという気もします.ちなみに,体感ですが自分の研究に割ける時間は(特任)助教時代と比較して半分以下くらいにはなったのではないかなと思います.

2.2. 研究費獲得